新たに起業を考えている方へ
労働保険の知識は企業者にとって必須です。
起業により人を雇う場合は各種手続の一つとして労働保険への加入が必要となります。
労働保険の加入は労働者を雇用する者の義務です。
労働保険は労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険を総称したものであり、国が営む保険として、特に、労災は農林水産の一部を除き、正社員、パート、アルバイトに係らず、1人でも雇っていれば必ず加入が必要となります。
労働者が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、病気にかかったり、あるいは不幸にも死亡された場合に被災労働者や遺族を保護するため必要な保険給付を行うのです。また、労働者の社会復帰の促進など、労働者の福祉の増進を図るための事業もおこなっています。
労働者が失業した場合や労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に、労働者の生活や雇用の安定を図るとともに、再就職を促進するため必要な給付を行うものです。また、失業の予防、労働者の能力開発の向上、その他労働者の福祉増進を図るための事業も行っています。
①保険関係成立届、概算保険料申告書の提出
労働保険の適用事業となった場合(その事業が開始された日、又は適用事業に該当するに至った時)には、労働保険の保険関係成立届を所轄の労働基準監督署又は公共職業安定所(ハローワーク)に提出しなければなりません。その後、その年度分の労働保険料を概算保険料として申告・納付することになります。
②雇用保険適用事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届の提出
雇用保険の適用事業となった場合(その事業が開始された日、又は適用事業に該当するに至った時)は、上記のほかに、雇用保険適用事業所設置届及び雇用保険被保険者資格取得届を所轄の公共職業安定所に提出しなければなりません。
労働保険料の年度更新
労働保険の保険料は、その年度における申告の際に概算で申告・納付し、翌年度の申告の際に確定申告の上、清算することとしており、事業主の皆様には、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料と併せて申告・納付することとなります。これを「年度更新」といい、各年度の6月1日から7月10日までの間に、労働基準監督署、労働局及び金融機関で手続きを行うこととなります。
労働保険料は、労働者に支払う賃金の総額に保険料率(労災保険率+雇用保険率)を乗じて得た額です。そのうち、労災保険分は全事業主負担、雇用保険分は事業主と労働者双方の負担となります。